春夏秋は冬を待つ季節(シーズン2)

DIYで費用を抑えた設置から高級機まで幅広く網羅。メンテナンス、薪集め、薪割り、ダッチオーブン、ピザなどの薪ストーブ料理など使いこなしの話題を中心に薪ストーブライフを充実させるノウハウが満載。初心者からベテランまで薪ストーブや暖炉を一緒に楽しみましょう!
これから家を新築で建てる人で、薪ストーブの導入を検討している場合に注意しておいてほしいことがある。それは発注方法のことだ。

新築の時には検討すべきことが、たくさんある。「生活の場である土地をどこにするのか」「どんな家にしたいのか?」というところからはじまって「予算」「工務店」「設計」「照明」「インテリア」「引っ越し」「外構」など付帯することを次から次へと決定していかなければならない。薪ストーブが後回しになってしまうのも無理はないが、薪ストーブの導入を考えている場合には、初期の段階から盛り込んでおかないと色々と不都合が起きる。そもそも、煙突の配管の問題もあるし、暖気の対流や間取りなど家の設計の根本に関わる重要なことなので、最初から考慮に入れておかないで、後から付け足すと上手くいかないケースが多い。

新築での薪ストーブ工事を、設計士、工務店、建築屋さん、ハウスメーカーなどに任せておけば、自分で考える必要もなく安心だと思う人も多いだろう。考えるべきことを減らし人任せにしてお金で解決しようという考え方だ。実はその動機とはその逆に、問題が発生するケースが多い。これまでも、そういう経路での薪ストーブ工事のでのトラブルを、たくさん見てきて尻拭いをしてきた。典型的な例が「取り扱い説明をほとんど受けておらず、自己流の焚き方をして煙や臭いで近隣からの苦情発生」「ローコスト優先の施工でスライド煙突なしとか、メンテナンス用の蓋なしのT字90°エルボで分解しないと煙突掃除できない配管」などだ。

どうしてそういうことが起きるのか検証してみよう。

工務店やハウスメーカー、設計士などに薪ストーブ工事を依頼した場合には、彼らが直接施工することはない。下請けの薪ストーブ店に施工を丸投げする。その際に、予算や施工方法などは指定されてて、変更の余地はない。「この予算でこうやってくれ」と元請け業者から言われたら「本当はこうした方が施主さんのためには良いのだけど・・・」と思ったとしても、現場で口することすらできないことくらいは、建築業界のことを知ってる人なら理解できると思う。

そもそも工務店、ハウスメーカー、設計士などの中で自分の自宅でユーザーとして薪ストーブを使っている人ががどれだけいるかは疑わしい。ほとんどいないのが実情だと思う。「薪ストーブのある家を複数建てたことある」なんて経験を売りにしているにしても、自分で使ってないだろうことは、その施工事例の写真だけ見れば「炉台が狭い」「炉壁が低い」(空気層がない)」「メンテナンスしにくい煙突配管」「外気導入してない」など見る人が見れば一発で判る。本当に自分で使っていたら、とてもできないような稚拙な提案を平気でしてくるのだ。何も知らない顧客は、言いなりになって使いにくく、リスクの高いものを買わされるハメになる。実使用の経験のない人が設計したものが使いやすく合理的であるはずがない。家を建てるのがメインの仕事なのだから、薪ストーブなんて単なるオマケのアクセサリーくらいにしか考えてないのが本音で実情だろう。家全体の金額からの割合で考えたら当然だろう。

そういう元請け業者から『この現場は60万円で材工一式やっつけろ』と注文されたら、その予算の範囲でやるしかない。ローコスト優先の施工になるのは無理がない。原価の安く品質の低いチャイナ煙突を使用して、シングル煙突多用、口元付近にスライド煙突がないなどメンテナンス性は無視したやり方になる。元々工事だけする前提で最初から自社でメンテナンスする気がないから平気でできるわけだ。そういう例はたくさん見てて、紹介してきたので、今さら例を挙げるまでもないだろう。60万円の予算で100万円分の仕事ができないのは当然だ。当然、取り扱い説明なども時間をかけてじっくりなんてやっていられない。「火入れ式」と称して軽く焚付して「どうもー」って逃げるように帰っていかれたとしても無理はないと思う。薪ストーブの施工店としは100万円もらった工事と、60万円の工事では施工内容も対応が違うのは当然だ。施主さんは薪ストーブや煙突工事代として工務店に100万円払ったかもしれないけど、工務店の方で抜かれて現実に支払われている額がそうなっているのが現実ということは、元請け→下請け→孫請けという仕事やお金の流れで組立てられている建築業界の仕組みを知っている人だったら理解できるはずだ。薪ストーブ店は施主ではなく元請けのために仕事をして、元請けは、本部や本社のために仕事をしているので、何か問題が起きても誰も責任を取らない(取れない)体制となる。

新築時に楽しみにしていて設置した薪ストーブを、入居後に使いはじめたら近隣からの苦情で撤去するまで追い込まれたケースが最近あったようだ。工務店やハウスメーカー、設計事務所などに薪ストーブを依頼した場合には、こうなる可能性が高いと認識しておこう。たまたま施主さんの知り合いにブロガーがいたから表沙汰になったけど、似たような事例は全国至るところにあると思う。
http://blogs.yahoo.co.jp/purado9182/37065377.html

上記のブログの記事へのコメントだと、薪ストーブ施工店を責めるコメントが多いが、それも的外れなものである。そもそもハウスメーカーの本部や工務店と癒着しているような薪ストーブの施工業者に【施主のために行動する】というようなプロ意識を求めるのも無理がある。そういう施工業者は、施主からお金をもらっているわけでなく、【元請けからお金を受け取っている】わけだから、元請けの指示通りに、予算の範囲で仕事をするしかない。元請けに意見などしたら、仕事を切られしまって、露頭に迷うハメになるだろう。家族の生活、安定した仕事量と給料の確保のため当然のことだ。そもそも安い金額ではじめからメンテのことなど考えない施工方法で最初から煙突掃除などをする気もないわけだし、取り扱い説明だって、ほとんどないか、あっても表面的、形式的にしかやらないだろう。施主と薪ストーブ施工店の繋がりはほとんどないのが実情だ。

こういうことを防ぐためにも、薪ストーブ工事は、薪ストーブ専門店に建築とは別に分離発注した方が良い。そうすれば100万円払ったら、きっちり100万円分の工事をしてもらえるし、薪ストーブに関する責任を薪ストーブ店に取ってもらえる体制ができる。薪ストーブ店は、薪ストーブを中心に考えて、施主さんが薪ストーブを使うのになるべく不自由しないようにと、工務店や設計士、ハウスメーカーなどに意見することができる。下請けの立場だと物を言えないけど、施主さんからの分離発注、直接発注であれば、施主さんの利益のために動けるようになる。

建築会社、工務店、ハウスメーカーや設計事務所などに「薪ストーブはここの薪ストーブ店に施主である私が発注するから、打ち合わせしながら進めてくれ」と契約前に言うだけで、悲劇の防止になる。そのリクエストに難癖をつけてくる元請け業者は、何かあると勘ぐった方が良いと思う。つまり、第三者を入れると不都合な商業上の流れが既に出来上がっているということだ。

私の場合は、施主さんから直接受注しているケースがほとんどなので、設計に問題があればダメ出しして、可能な限り修正してもらって、薪ストーブの使用の快適さや合理性、メンテナンスのし易さ(ランニングコストの低減)の実現を重視している。取り扱い説明の際も、きっちり時間をかけて、近隣からの苦情をもらわないような使い方をレクチャーして、スタート地点でつまづくことのないように丁寧にフォローしている。

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コメント
この記事へのコメント
薪ストーブ店
 工務店お任せで無く、薪ストーブ店に分離発注すれば良いかというと、それでもハンパな工事をする所が結構あるのだから、ユーザは、自ら勉強しておかないと、博打をする事になってしまいますね。
 で、その勉強の題材をネットで探すと、ヤバイ工事が平気で大丈夫そうに出てくるのですから、困った物です。
 私の場合はストーブ選びから失敗して買い換えで参りましたが。

 話変わりますが、楽器選びも薪ストーブ業界といい勝負ですので、皆様、ご用心。
2016/02/28(日) 08:52:15 | URL | 山口透 #tZEVnSis[ 編集]
山口透さま:

薪ストーブの件であれば私に分離発注してくれれあ良いし、楽器選びであれば山口様に分離発注すれば良いということですよね。

博打打たずに、確実性を求めるのであれば、それが一番です。
2016/02/28(日) 23:15:38 | URL | かわはら #MvScDlpk[ 編集]
ご質問
現在、我が家を新築計画中で薪ストーブを導入予定の群馬人です。
我が家は切妻の平屋予定なのですが、薪ストーブの機種が違えば、煙突の長さは変わってきたりしますか?

平屋のため、意図的に煙突の長さを取らないと5mを切ってしまいます。

まだ勉強中のため、見当違いのご質問でしたら申し訳ありません。
2016/03/02(水) 22:12:37 | URL | 薪パーティー #HNxKMREg[ 編集]
薪パーティーさま:

薪ストーブによって要求する煙突の長さが違ってきます。どういう薪ストーブを選ぶかも極めて重要です

平屋の場合チムニーを立ち上げて極力煙突の長さを確保するような設計にしましょう。
2016/03/02(水) 23:32:21 | URL | かわはら #MvScDlpk[ 編集]
引き続き
お返事ありがとうございます。

最初は色々見た目で惑わされていましたが、現在、薪ストーブ選びの条件を「なるべくシンプルな構造、シンプルなシステム。メンテナンス性に優れ消耗品が少ない」になっています。
候補の本命は700slです。
700slの場合、最低限どれくらいの長さが必要になってくるでしょうか?
2016/03/02(水) 23:55:25 | URL | 薪パーティ #HNxKMREg[ 編集]
薪パーティーさま:

700SLであれば4メートル以上必要です。比較的煙突の長さを要求しない機種なのでぴったりですね。

私の得意とする機種ですので、ぜひとも設置工事もご依頼ください。

とことんフォローしますよ。
2016/03/03(木) 00:06:18 | URL | かわはら #MvScDlpk[ 編集]
夜分に
夜分にお返事ありがとうございます。
ご丁寧なお返事ありがとうございます。
近くで実際に希望の機種に詳しい薪ストーブ屋さんが居ない場合は、遠方ですが、かわはらさんにお願いしようと思います。
その際はよろしくお願いします。
2016/03/03(木) 00:32:24 | URL | 薪パーティ #HNxKMREg[ 編集]
薪パーティーさま:

距離は関係ないです。先日、施工した山形と比べれば全然近いです。

多分、この機種に関しては私が日本一詳しいと思います。レクチャーも含めて、ご依頼いただければ、きっとご満足いただけると思います。

お話しをいただける時を楽しみにしています。
2016/03/03(木) 00:40:16 | URL | かわはら #MvScDlpk[ 編集]
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