春夏秋は冬を待つ季節(シーズン2)

DIYで費用を抑えた設置から高級機まで幅広く網羅。メンテナンス、薪集め、薪割り、ダッチオーブン、ピザなどの薪ストーブ料理など使いこなしの話題を中心に薪ストーブライフを充実させるノウハウが満載。初心者からベテランまで薪ストーブや暖炉を一緒に楽しみましょう!
「3月にオープン予定の店舗に薪ストーブを導入したい」という話があって、最初に現場を見に行った後に、リフォームしている工務店からの「煙突開口で穴を開けたくない」という意見で頓挫しそうになった案件。

リフォームする工務店が屋根抜きに反対して頓挫しそうになった薪ストーブ導入の現場ですが、施主さんの強い希望で、結局やることになりました。とりあえず開口部分の調査と、固定金具の下地位置の決定のために現物を持っていきました。

Posted by かわはら薪ストーブ本舗 on 2016年1月5日


施主さんに工務店を説得するだけの勢いがないと、こういう話は進まない。結局やることになったら、サクサクと話しが進んで、設置工事できる状況になった。

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施主さんのDIY作成の炉壁

今回は薪ストーブの設置前に「炉壁を手作りしたい」ということで、正しい作り方をアドバイスした。店舗なので適当にやっつけると、ひび割れしてみっともなくなってしまうので、そういうことのないように、基本的な施工方法を教えた。いきなりケイカルに漆喰を塗ってしまいがちだけど、それをやると大抵、ひび割れしてパリパリ剥がれ落ちてしまう。下地作りが非常に大事なのだ。

・50ミリ厚の軽量鉄骨を間柱に固定して空気層を確保
・12ミリ厚のケイカルを固定
・パテやメッシュテープでネジの頭やボードの継ぎ目を埋める
・プラスターという下塗り材を塗って乾燥させる(富士川建材のエスエスプラスターがお勧め)
・漆喰を塗る



この炉壁の完成を待って、いよいよ煙突工事&薪ストーブ設置工事となった。

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必要十分なサイズの炉台、炉壁を提案して、その通りに作成してもらった

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30°のエルボでなるべく排気抵抗のないようにオフセットさせて、邪魔にならないように、ぎりぎりまでコーナーに寄せた

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勾配天井で、煙突の芯の位置が開口位置から、かなりずれていたので、現場でケイカル板で適切なサイズで化粧板を作成した

結果的に化粧板が目立たずに、漆喰仕上げの炉壁を含めてインテリアを損なわない、すっきりとしたイメージで仕上がった

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現在、改装中のため、開店したら、またレポートしよう

今回選択した薪ストーブの機種はハンターの小型モデルのスカゲンだ。施主さんは別荘で、既に10年以上薪ストーブを使っているユーザーなので、違いの判る人間だ。そういうベテランな人ほど高性能ぶりや違いを実感してくれると思う。

以下のように、色々な理由があってお勧めしたけど、いちいち細かいことは説明しないで、話があった時点で、この現場にはこれがぴったりと思えたので、この機種をお勧めした。

・狭い店舗の暖房面積に合わせた小型モデル
・シンプルなデザイン
・扱いやすく簡単操作できる
・メンテナンス性が良く、故障しにくい
・輻射式で天板の温度がガツンと高くなる
・左右や背面は二重構造の対流式のためマイルドな放熱
・鋼鈑製のモノコック構造なので火を入れた後の立ち上がりが早い



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設置後の取り扱い説明で、焚付してから90分後には青白いオーロラ炎の綺麗な燃焼となった
(今回は初火入れで灰が全然ない状況からのスタートなので、炉内の断熱材代わりになる灰があれば60分後にはこうなるだろう)

スカゲンは空気調整が非常に秀逸で、レバーのちょっとした動きで敏感に炎を変化させて楽しめる。自由自在に炎の表情をコントロールできる。青白いオーロラの炎よりも、豪快な焚火みたいな炎が好きという場合は、空気を少し開いてやれば、こうなる。

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エアーを開いて豪快に炎を立ち上げた様子

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ダンパーを閉じて、二次燃焼(空気調整ダイヤルの右側)を開いた状態

煙突について解説すると、精度が高く耐久性に優れた、高性能の国産の高木工業所のものを使用しているのはもちろんだけど、ダンパーを設定してコントロール性と燃費を高め、口元付近まで二重断熱煙突にして排気温度が下がらないように効率良く燃焼するように配慮して最高の性能を追求した。

他の薪ストーブ屋さんで紹介されている施工事例を見ると、けっこう口元付近をシングル煙突で施工が多い。確認しているわけではないけど、恐らく口元付近をシングル煙突にする理由は「予算の削減で安い方がお客さんに選択してもらいやすく他店との見積もり価格競争に有利」「シビアに煙突長さを考えなくても施工の時にシングル管カットで楽に長さを調整できて、施工も見積もりも精度を要求されずに楽ちん」というところだろう。

私はシングル部分から熱が逃げて排気温度が下がり燃焼効率が悪くなってしまうのを良しとはしないので、口元付近までオール二重断熱煙突で設計、施工している。そこはケチるところではないと考えている。それにシングル管にヒートシールドをつけると分解性、メンテナンス性が極端に悪くなり、煙突掃除の時に苦労する。同じ金額を浮かせるならば、ファイヤーツールとか、皮手袋を薪ストーブ専用アクセサリー類ではなく、ホームセンターで用意した方が合理的だ。それに、アクセサリー類は部屋の雰囲気に合う好みのものを、個別に選択してもらった方が良いと思っている。

これから薪ストーブを設置しようと考えている人は、過去のその店の施工事例を見て「どこまで二重煙突を使っているか」「炉台の広さ」「炉壁の高さ」「煙突掃除のしやすさ」という視点で施工例をシビアに観察することをお勧めする。イメージだけでなく、実用性、合理性を冷静な目で見極めたい。

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コメント
この記事へのコメント
ハンタースカゲン!かっこいいですね〜。大きさはビンテージ35位ですか?
空気調整のレバーは銀色のダイヤルが見えるやつでしょうか?黒に銀色!これまたかっこいいです(^ ^)
2016/02/20(土) 20:14:01 | URL | くんくん #-[ 編集]
くんくんさま:

おっしゃる通り、サイズ的にはそのくらいです。

空位調整もご推察の通りです。扉の開閉レバーともお揃いの色でいい感じですよね。
2016/02/20(土) 20:26:16 | URL | かわはら #MvScDlpk[ 編集]
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