春夏秋は冬を待つ季節(シーズン2)

DIYで費用を抑えた設置から高級機まで幅広く網羅。メンテナンス、薪集め、薪割り、ダッチオーブン、ピザなどの薪ストーブ料理など使いこなしの話題を中心に薪ストーブライフを充実させるノウハウが満載。初心者からベテランまで薪ストーブや暖炉を一緒に楽しみましょう!
二階和室の邪魔にならないところに煙突を通した。言わなければ、ここに煙突が入っているなんて、誰も気づかないだろう。

resize1056_20150826121723a2b.jpg

resize1057_20150826121724b41.jpg

ブログ村ランキング:オリジナルバナー
チムニーを、プロの大工さんが作ったからと言って、完璧に指定した寸法通りにできているとは限らない。寸法だけでなく、直角が出てない、水平垂直が出ているとも限らない。これは驚くことではなく、当たり前のことだ。機械でプレ加工したパーツのような木材をプラモデルのように組み立てるわけではなく、現場に合わせて木材を手作業で切り刻んで作っているから仕方ない。そもそも取り付ける家そのものだって、完璧に水平垂直が出ているわけではないし、材料である木だって、歪んだり、曲がったりしているのが現実だ。

そういう複雑で難しい状況の中で上手に材料を組み合わせて、最小限の狂いに納めようとした結果の建築物だ。神経質に「正方形になってない」みたいなことで、いちいち文句をつけてはいけない。完璧に水平垂直が出て一切歪みもなく曲がってない1ミリの狂いもない直方体のチムニーを作れる大工さんがいたら、奇跡に近い。厳密に計測すれば、どこか台形になっているのが普通だ。

resize1052_20150826112245b7e.jpg
まずは開口部分の寸法を確認してみる

resize1051.jpg
730ミリで指定した外寸も最大突起部分を含めると735ミリ/450ミリで指定した内寸も454ミリ

上記寸法は、一辺を確認した実例だけど、他の三辺もミリ単位では全て違う。厳密に言えば、見た目は正方形でも、正確には台形で直角が出てないわけだ。このように数ミリの違いを問題にしたり、目くじらを立てても意味がないということを頭に入れておこう。数ミリの誤差だったら良い方で、慣れない素人がDIYで作成したら数センチ狂ってしまうことだってありうる。

もともと最初に指定した寸法は多少の誤差が出ても吸収できるように、ある意味サバを読んだものになっている。角トップが、チムニー上部にかぶさる寸法は一辺は750ミリだ。730ミリで指定したのは角方向に10ミリのクリアランスを確保して、スムーズにかぶさることができるように考慮している。逆に言えば数ミリの誤差があったとしても、問題ないわけだ。また内寸についても同様で固定金具の長さは400ミリなので、数センチ狂っていても取り付けの障害にはならない。

一番重要なのは、煙突の芯の位置を「この現場ではどこにするか」と決定することだ。馬鹿正直に計測したチムニーの中央の真芯を煙突芯にしてしまうと、角トップのカバーがチムニー外壁と干渉してかぶらなくなってしまうこともある。チムニー天端が台形になっていて、出っ張っている部分があるのだから、その一番出ている部分と角トップが干渉しない位置を、煙突芯に決定する。チムニーのど真ん中に煙突芯が来ることよりも、角トップがきちんと上からかぶさる位置を優先するわけだ。

「それだと芯がずれてかっこ悪いのでは?」と思う人もいるかもしれないけど、数ミリから数センチのクリアランスの違いは、離れてしまったら見ただけでは全く判らない。室内側に関しても化粧板で開口部分をふさいでしまうわけだから、見えなくなるので、問題ない。

あまりに誤差が大きい場合や外寸が750ミリに近い状況の時には、煙突をチムニーの取り付ける前に、角トップのベースを実際に天端に仮に置いてみて、チムニー外壁と干渉しないか確認した方が良い。問題がある場合には、その日の設置は諦めて、天端にさらに修正用の上枠&板金を追加するなどの対策を取る。

次にチムニー下部の室内側の煙突貫通部分を考えてみよう。先に説明した理屈と同じでチムニーが正確な直方体になっていないのと同じ理屈で、その下の貫通部分も真下にあるわけではない。つまり、チムニー下側の貫通部分の一辺の寸法を計測して2で割った位置が、煙突の芯になっているわけではないということを頭に入れておこう。

resize1053_2015082611224623d.jpg
貫通部分の一辺が448ミリで、目安となる中心線を引いてみるけど、煙突芯で合わせた固定位置は数ミリずれている

resize1055_201508261122496ca.jpg
チムニー天端かの固定金具から下げ振りを垂らして真下の位置を確認する

resize1054.jpg
開口寸法に合わせるのではなく、実際の煙突が垂直になるように金具の位置を決めるのがポイント

開口部分の真芯から煙突が出てこなくても、この部分は化粧板で隠してしまうので、多少オフセットしていていも問題ない。通常は一辺が450ミリの開口に対して、一辺600ミリの化粧板で覆う。

ブログ村ランキング:オリジナルバナー
リフォームで既存の住宅に薪ストーブを設置して煙突を屋根から抜く場合には、フラッシング施工で円錐形の金物だけで防水処理して立ち上げるケースが多い。その方が工期も短いし、ローコストだからだ。しかし、この方法は、野地板に置いたフラッシングの底面が物理的に立ち上がってないので、強風の際に下から上に向かって雨水が吹きあがった時に雨漏れする可能性が排除できないし、何よりも、煙突とフラッシングの取り合い部分をコーキングや防水テープなどの寿命のある消耗品に頼ることになるので、20-30年スパンの長期で考えると、メンテしないと、いずれは雨漏れしてしまう。

煙突掃除の時に定期的に取り合い部分を点検して、問題が出る前に10年ことくらいに防水処理をやり直す覚悟があれば、それも良いけど、私は半永久的にそういうことをしないでも安心できる施工方法の方が好きなので、このように極力、チムニー&角トップの煙突施工を提案している。

resize1047_2015082610174801c.jpg
チムニーの骨組み作成中

この物件も広いベランダから短い脚立で屋根に上がれるようになっている。そして屋根に上がったらチムニーで身体を支えることができるので、転落の恐怖を感じることなく、安全かつ安心して煙突掃除ができる。このように新築だけでなく、リフォームの場合でも、メンテナンス性を考慮したプランで設計している。

このようにチムニー&角トップでの施工は、雨仕舞い的に有利なだけでなく、メンテナンス性でも優れているのだ。

resize1046_20150826101746fba.jpg
瓦を剥がしてチムニーを立ち上げる

resize1050.jpg
屋根との取り合い部分の鈑金、ガルバでのチムニー外壁が完成

resize1049_20150826101752598.jpg
角トップを取り付けたところ

resize1048_20150826101750ec3.jpg
引き締まってかっこ良くなった

さらに言えば、丸トップと比べて、風の影響も受けにくいし、排気部分の面積が大きいので、煤が詰まりにくく、排煙が目立ちにくいという、日常の使い勝手の良さもある。

チムニー制作の工期 2-3日
木工事 約10万円
鈑金工事 約6万円
フラッシングとの煙突部材差額 7万円
============================
約23万円



このようにチムニーで施工するとフラッシング施工よりトータルで20万円程度高くなるのは事実だけど、長期に渡る安心感や、メンテナンス性の良さを考えると、かける価値はあると思う。

もし予算的に厳しい場合は、薪ストーブ本体のランクを下げて値段を削る方法もあるし、角トップさえしっかりしていれば、雨漏れ、雨の浸入のリスクはないので、国産(高木工業所)の煙突ではなく、安いカナダ製の煙突部材を使うという選択肢もある。そうすれば、フラッシング施工と変わらない値段で、チムニー&角トップでの施工も視野に入れることができる。

予算に応じて、その範囲で最大限に良いものが得られるように、様々な引き出しを使って考えるので、これから薪ストーブを導入したいと考えている人は、気軽に声をかけて欲しい。

ブログ村ランキング:オリジナルバナー
これまでに「薪ストーブを施工した販売店や工務店が煙突掃除してくれない」ということで、私のところに依頼がくるケースがけっこうある。そんな時には他社でどんな部材を使って、どう施工しているのか勉強になるので、可能な限り引き受けている。ぐらつく煙突とか、スライド煙突を使ってない施工とか、究極のローコスト施工のやり方は、驚きを通り越して感動すら憶えるくらいだ。

また、そこで使われている煙突部材も、普段私が使っている国産のものと大きく違う。コストダウンのため中国製、イギリス製など海外製の二重断熱煙突が使われていることが多い。海外製のものは高温多湿、多雨の日本の気候に合わせて作られてないので、コネクターのロック部分が切り欠きになっていて、ここから雨がしみ込んできてしまう構造のものもある。

プレスや溶接で作られているものもあるけど、品質が悪く雨が浸みこんでトラブルになった実例もある。そのため、このメーカーでは「コネクター部分はコーキングで防水処理してくれ」みたいな対応をしている。(営業妨害にならないようにメーカー名は伏せておく)

resize1044_2015082609412745d.jpg
海外製の二重断熱煙突のロック部分

煙突掃除の直前なので、切り欠き部分に煤が積もっているけど、風雨の際には雨がしみ込んで、断熱材が濡れていく。新品で工事の際には、煙突を箱から出すと、この切り欠きから内部の断熱材のパウダーが舞い上がる。(つまり断熱層と大気がつながっている)

resize1045_20150826094129a59.jpg
国産(高木工業所)の二重断熱煙突はプレス

一方、国産の二重断熱煙突は物理的に外気と断熱材が遮断されているので、雨水や大気中の湿気が内部にしみ込むリスクはゼロだ。日本の風土に合わせて、日本人の感性で作られた、高品質で精度の良い製品だ。着脱の際にも海外製のように同心円になっていなくて、苦労するようなこともなく、安心して扱える。

煙突そのものは、工事が終わってしまうと、ただの黒い筒に見えて、ユーザーはあまり違いを実感することができないかもしれない。しかし、このように、生産国やメーカーによって大きく質が違う。最初の2-3年では違いは出てこないけど、10-20年という年月を経過すると明らかな違いが出てきてしまう。

薪ストーブの本体は壊れたり問題が出たらサクっと交換することは簡単だけど、煙突を交換するのは大変なのだ。雨仕舞いを含めて全部やり直しになるので、新規で施工するよりも手間も時間も費用もかかる。

「薪ストーブが欲しい」と思っている人が本体をどのメーカーのどの機種にしようと悩むケースは多いかもしれないけど、煙突のメーカーを真剣に考えている人は極めて少ないと思う。その風潮があるから、ユーザーが指定しない限りは薪ストーブ店や工務店は、使用する煙突部材のメーカーは利益率の大きい(つまり原価の安い)海外製の煙突となってしまう。(実は販売価格はそれほど大差ない)

ユーザーも賢くなって、長い目で見て、煙突のメーカーまで指定して、長期に渡って安心して使える製品を選んでほしい。

ブログ村ランキング:オリジナルバナー
家を建てた工務店が薪ストーブを設置したため、取り扱い説明を全く受けてないということだった。すごいことになっていた。煙道火災の一歩手前のような状態だった。

「原価が安い」「工務店でも安易に仕入れられる」という点で大流行りのダッチウェストだけど、マニアックな触媒機なので、ダンパーを締めるタイミングを知らないと、くすぶらせて大変なことになる。

resize1039.jpg
煙突トップにはタールがみっちりこびりついていた

resize1038.jpg
煙突内部は煤が大量付着

タール、煤、発泡状の雷おこしのような煤と、部位によって、異なるあらゆる煤の見本市のような状況だった。

resize1037.jpg
何より驚いたのは本体口元内部・・・雷おこしのようなサクサクの発泡状のタールがこんもりで詰まる直前

ユーザーには正しい使い方の説明をしたので、次回からは大丈夫かな?

ブログ村ランキング:オリジナルバナー
日中は、まだまだ残暑で暑いけど、朝晩はだいぶ涼しくなってきた。「そろそろ薪ストーブに火を入れても良いのでは?」と思ってしまう今日この頃だ。

火を入れる時に、普通のサイズのメインの燃焼用の薪だけしかないと、なかなか火が回らずに、気持ち良く燃えてくれない。短くて細いの焚付用の薪があると良い。建材の端材などもで良いのだけど、シーズン最初に初めて火を入れる時くらいは、100%天然モノの薪だけで決めてみたい。



こんな感じの鉈があるとサクサク焚付づくりが楽しめる。

resize1033_20150825144138994.jpg
短くて細い焚付用の薪

resize1035.jpg
こういうささくれの木っ端も回収して、最初の点火時に利用する

resize1034.jpg
いつでも火を入れられる準備ができた

ブログ村ランキング:オリジナルバナー
新築で薪ストーブのある家を考えている場合には、煙突掃除しやすい設計をすることが重要だ。煙突トップにいかに簡単に安全にアクセスできるかというメンテナンス性を考慮して設計するのが良い。これを、無視した家にすると、毎年の煙突掃除の時に苦労することになる。

「煙突掃除は室内側から下からブラシを上に向けて突けばOK」みたいなことを言う業者もいるみたいだけど、このやり方だと煙突だけは掃除できても、トップまで、きちんと煤を除去することは不可能なので、いずれは詰まってしまったり、その前には煤が近所に飛散したりして、苦情の元になる。薪ストーブを「飾り」や「アクセサリー」としてでなく、「実用品」の暖房器具として活用しようと考えている場合には、煙突トップへのアクセスの方法を甘くみない方が良い。薪ストーブの使用(※)経験のない業者や工務店は安易に考えている傾向がある。工務店や設計士が、煙突トップへのアクセスを深く考えていないと見受けられる場合には、施主が自から主導して要望を出さないと、快適な薪ストーブライフを送ることが困難になる。

※いくら設置経験が複数あったとしても、ユーザーとして自宅で使っていない限りは要注意

参考までに、これまで私が提案してきた10のプランを紹介しておこう。新築の設計段階であれば、このうちのどれかを、うまく組み合わせることができるはずだ。

1.棟屋からベランダに出て、そこから直接屋根に上がる
2.天窓からロフトを経由して屋根に出る
3.巨大チムニーにドア(サッシ)をつけて、小屋裏を経由して屋根に出る
4.広い二階ベランダから短い梯子で屋根に登れる
5.チムニーに地上から直接二連梯子をかけられる
6.チムニーから鎖を垂らす
7.屋根材に雪止めを、煙突アクセスルートに設定する
8.破風へ二連梯子の横転防止金具を取り付ける
9.屋根上に常設足場を作成する
10.チムニーに転落防止の命綱固定金具をつける
(11.勾配のきついログハウスの場合はドーマー部分を活用する)



くれぐれも煙突掃除でトップへアクセスする際に足場を組まなければならないような、家にだけはしないようにしよう。

実例の現場を紹介することもできるが、それぞれの建築環境や前提条件が全て違ってケースバイケースでの対応だから、見たものをそっくり丸ごと真似しても意味がない。それよりも原理原則、考え方や方向性を、頭に入れた上で、具体的にその現場の環境に合わせたやり方を考えていくことが大切だと思う。

設計が固まってしまうと、後からの修正が困難になってくる。設計の根幹にも関わってくることだからだ。ラフプランを作る前の段階で、最初に設計士や工務店に伝えておこう。薪ストーブのある家を建てたいと思っている場合には、非常に重要なことだ。「薪ストーブありき」の住宅ではなく、「普通の間取り」の中のどこかに薪ストーブをつけるということも、できないことではないけど何らかの妥協が必要になってくる。せっかく薪ストーブのある家を新築で建てるのだったら、総合的に配慮した方が使い勝手が格段に良くなるのだから、そうしないのはもったいないと思う。

ブログ村ランキング:オリジナルバナー
薪ストーブの煙突を壁抜き施工する場合にも、色んなパターンがある。

メンテナンス性を優先して、室内側のT字のエルボのところにも蓋を設定して、それを取り外すだけで手軽に煙突掃除できるようにすれば、いちいち煙突を分解して取り外して、屋外に持ち出して掃除して、再び組み付けるという手間がかからなくなる。かなり気軽に煙突掃除できるようになる。この方法だと見た目が無骨で気になる人もいるかもしれない。(この部分の実売価格は5-6万円程度)

resize1026_20150822150927482.jpg
メンテナス性を優先した設計

resize1025_201508221509268a2.jpg
メンテナンス用の蓋を取り外すだけで、室内側の煙突掃除もできてしまう施工例

一方、低価格を優先するプラン(この部分の実売価格は4-5万円程度)の場合には、45°のエルボを二つ組み合わせれば直角のエルボ代わりになる。この場合には見た目がすっきりするというメリットがあるかもしれないけど、煙突掃除の際に煙突をばらす手間が発生する。煤の大量付着した煙突を室内でバラすと多少なりとも煤が飛び散るし、屋外に持ち出して掃除する際に、煙突を傷つけたり汚したりするリスクもそれなりにある。

resize1028_201508221509308dc.jpg
煙突掃除の際には、煙突を分解して屋外に持ち出す必要がある

薪ストーブと煙突工事のトータルで100万円コースの中の1万円の違いだから、大差ないとも言えるし、逆に見積もりを比べて1円でも安いところで注文するようなお客さんの場合には大きな違いとも言える。

「どちらが正解」と言えない微妙な問題だけど、私の場合には、ここで1万円を削るよりも、毎年の煙突掃除の際に、手早く簡単にできて、室内を汚さないで済む前者のプランの方が良いと考えて、基本的にはメンテナス性を優先で提案している。

こういう細かなところまで一長一短を説明して、お客様に選択していただくのがベストだと思う。

ブログ村ランキング:オリジナルバナー
鋳物の薪ストーブの外装仕上げには、一般的な黒塗装の他にホーロー(エナメル)仕上げも選択できる場合もある。

ホーロー(エナメル)仕上げの場合には、デザインや見た目の問題だけでなく、料理の際に吹きこぼれたりしても錆びないことと、お手入れの際に軽く布で拭き取るだけで楽にできるという大きなメリットがある。一方ガラス質の仕上がりのため、鉄鍋などをガツンと当ててしまうと割れて、ホーロー(エナメル)が剥がれるというリスクもあるので、繊細な取り扱いが必要になる。

黒塗装の場合は単純に塗料を塗っただけなので比較的ローコストで仕上がるけど、ホーロー(エナメル)の場合にはガラス質の溶剤を塗った後で高温のブースで焼き付けるという手間と時間がかかるので、それなりに値段が高くなる。

resize1024_20150822121911fcc.jpg
ホーロー(エナメル)焼き付けブースから出てきた、渋い青色の薪ストーブのパーツ(足と扉)

それぞれ一長一短で、どちらが良いと単純には言えないけど、同じ機種で、黒塗装とホーロー(エナメル)の価格差がどのくらいまでだったら許容範囲だろう?

resize1021_20150822120509674.jpg
黒塗装

resize1022_20150822120510b33.jpg
ブラウンのホーロー(エナメル)

同じ機種でも、仕上げによって、このように全然イメージが違う。

ブログ村ランキング:オリジナルバナー
薪ストーブや煙突が結露して、垂れた水分で錆びてしまうという現象は、寒い地域だけで発生するわけではない。比較的温暖な気候の千葉県内でも実例がある。

何故、結露するかというと、冬場に窓枠のサッシのところが濡れたり、夏場にビールを注いだグラスの表面に水滴がつくのと同じ理屈だ。薪ストーブや煙突の場合には、薪ストーブを使ってない時に煙突トップから屋外の冷気が降りてきて、煙突や薪ストーブ本体の表面温度が下がる。暖かい室内の空気に触れた部分で、空気中の水分が結露するというメカニズムだ。

resize1013_201508210939518ad.jpg
温暖な千葉県内に設置された薪ストーブだが・・・

resize1010_20150821093947f95.jpg
煙突口元付近からは結露した水分が垂れていて錆びが発生している

resize1011_201508210939496a5.jpg
背面の床面をチェックすると・・・

resize1012.jpg
はっきりと水滴の垂れたシミが残っている

これだけ凄いと「雨漏れ?」と思ってしまう人もいるかもしれないけど、この設置環境は煙突を壁出ししているので、屋外から煙突表面を伝わって雨が侵入してくることは物理的にない。結露以外には考えらえない現象だ。

原理原則を考えれば、二重断熱煙突にすれば、煙突の表面での結露は避けられる。それでも本体まで冷気が入ってくると、薪ストーブの表面や口元付近で結露する可能性はゼロではない。さらにダンパーを締めて、口元付近に断熱材を入れてしまえば、使用してない時期の結露はかなり避けられるようになるのではないかと思う。

resize1014_201508210951171a1.jpg
現場の確認の後、美味しいアイスコーヒーとパンをいただきました🎵

ブログ村ランキング:オリジナルバナー
軽井沢での薪ストーブメンテナス&煙突掃除の二件目。こちらはチラシを見てくれただけでなく、以前から私のブログも見てくれていたそうだ。それでドブレ760CBの導入となったそうだ。

もし、煙突工事&薪ストーブ設置工事も、私にご依頼いただけていれば、室内側も全部二重断熱煙突で提案したと思うのだけど、この現場の場合には貫通部分だけ二重断熱煙突で、室内側は全部シングル煙突での施工だった。

そのため煙突口元付近に結露して水滴が垂れてきた痕跡が残っていた。煙突の表面温度が室温より下がると、窓枠の結露と同じような理屈で発生する現象だ。外気にさらされる煙突内部の温度と室内側の煙突表面温度がほぼ一緒になっているので、仕方ない。

また、排気温度が冷えやすいので、乾燥不足の薪を焚いた場合などは煙に含まれる水蒸気分が結露して、木搾液として垂れてくるという現象も考えられる。

これらの症状は室内側も口元までオール二重断熱煙突にすることで回避できる。

resize1001_20150820085508aa4.jpg
煙突口元付近に水滴が垂れた痕跡が・・・

この部分は、汚れを研磨してストーブポリッシュで保護しておいた(放置しておくと錆びの原因となる)

resize0999_2015082008550792c.jpg
煙突掃除は、基本通り、屋根の上に登り、トップを取り外して、上から下にブラシを挿入して煤を落とす

resize0998_20150820085505fac.jpg
トップは地上に下ろして、ワイヤーブラシや刷毛を利用して清掃した

resize0997_20150820085503a75.jpg
炉内のパーツは全部取り外して、屋外でメンテナンス(錆落とし、灰の除去、防錆油の塗布)

resize0996_2015082008550234f.jpg
分解清掃できるので隅々まで綺麗にできるメンテナンス性の良さが特徴のドブレ

きっちりとできる限りのメンテナンスを施して、次回の火入れまで安心していられる状況となった。

ブログ村ランキング:オリジナルバナー
軽井沢の別荘での煙突掃除の依頼だったけど、煙突そのものが破損していて、単純に煙突掃除しただけではマズイ状況だった。見なかったことにして、依頼を受けた煙突掃除だけやるような業者もあるだろう。

設置して20年後30年後に、こんなふうになってしまう角トップの手抜き施工だった。こういうパターンは意外と多いのだ。

煙突がチムニー内部で固定されていないので、グラグラ揺れてしまっていて、ストームカラーが外れてしまっていた。強い風雨の際には吹き込んだ雨水が角トップ内部にしみ込んでしまう。以前は別の現場で断熱材がボロボロになって手遅れのところもあったが、今回は、たまたま早めに発見したので、対策を取ることができて、ラッキーだったと思う。

resize0991_20150819191840ff4.jpg
手持ちの金具を煙突と、角トップ内部の隙間に挿入して、ぐらつかないように固定

resize0990.jpg
贅沢に(?)、薪ストーブの扉用のガスケットロープで隙間を充填

resize0993_201508191918430d8.jpg
ストームカラーの取り付け

resize0994_20150819191847810.jpg
煙突の天端とストームカラー上部をネジで固定して、物理的に外れないようにした

resize0992_20150819191846bdb.jpg
取り合い部分をコーキングで防水処理

resize0995_20150819192729166.jpg
煙突天端に金網を固定して、防鳥ネットの作成

ブログ村ランキング:オリジナルバナー
新築住宅へ薪ストーブを設置する案件の場合には、基本的には角トップ仕様の煙突をお勧めしている。新築の場合には家の建築と同時に一緒にチムニーを作ってしまえば良いので、リフォーム工事で、屋根を後からぶち抜いてチムニーだけを制作するのと比べたら合理的なのだ。

円錐形の金物を使うフラッシング仕様と比べたら、チムニー仕様の方がメリットも大きい。

1.屋根とチムニーの取り合い部分が物理的に立ち上がっていて板金で雨仕舞いするので、雨漏れのリスクが小さい
2.煙突掃除の際に身体を支えたり、道具を置いたりできるので安全かつ確実な作業ができる
3.煙突工事と、屋根材を葺くタイミングを合わせる必要がないので、工期や日程の調整で「待ち」がなくなりスムーズ



チムニー上部から、さらに煙突が生えている角フラッシング仕様もあるが、これは煙突の高さを稼げるというメリットはあるけど、煙突とフラッシングの取り合い部分を、寿命のある防水テープやコーキングに頼ることになるので、そのままだと20-30年後に雨漏れすることになる。(ので、煙突掃除の際にチェックして必要に応じて防水処理をやり直す必要がある)

メトスの角トップの場合は「煙突と角トップ本体の取り合い部分」が物理的に存在しないので、防水テープやコーキングに防水を頼る必要がないので、一度設置したらほぼ、半永久的に雨漏れのリスクから解放される。

しかし、同じような形状の他社製の角トップの場合は、そうはいかない。角トップの本体を煙突が貫通する形になっているので、コーキング、ストームカラーなどで防水処理しているのだ。本体の中はルーバーがあるけど、風雨の際には雨が侵入するので、この部分の防水が弱くなると雨漏れのリスクがある。排気の高熱、煤や煙などの酸性にさらされる場所なので、直射日光の紫外線のダメージは受けないけれども、それなりに過酷な環境であることは言うまでもない。

自分が施工した現場はメトスの角トップしか使ってないので、他社製の製品は「他社で煙突や薪ストーブ工事をして、その会社で煙突掃除してくれない」というユーザーさんからの依頼があった時に観察できる。そんな物件の一つから実例を紹介しよう。

resize0932_20150813132416587.jpg
煙突トップが露出して、貫通部分を、ストームカラーとコーキングによる防水処理の他社製の角トップ

resize0933_20150813132418c53.jpg
チムニー蓋部分の防風板も省略されている

resize0934.jpg
溶接もイマイチで、ネジを固定するベース部分が破断してしまって、蓋が固定できない状況になっている

メトス製は8か所でボルト固定だけど、この製品は四隅の4か所のみなので、1か所壊れると、他の3点でのみ固定されることなり、その部分の溶接がどこまで持つかも、正直判らなくて不安だ。台風の時に蓋が飛んでいったりしたら大変なことになる。とりあえず後日、クランプでルーバーを挟んで固定する応急処置を取ることにした。

resize0952.jpg
経年劣化でストームカラーが外れて雨がチムニー内部に入ってしまうようになった別の現場の角トップの事例(※)

resize0989.jpg
断熱材に雨がしみ込んでしまうとアウトだけど、今回は早めに発見したので対策を取れてセーフ

※別の現場では、断熱材がボロボロになって原型をとどめていなかった
※コーキングでストームカラーと角トップ内部の取り合いを処理していれば・・・いずれはこうなる



パっと見た外観は同じように見えても、このように私が普段使っている国産のメトスの高品質な煙突部材と、どこの国で作ったのか判らない謎の商品とでは、大きく内容も品質も違うことを、改めて実感した。こういう事例をたくさん見ているので、10年後、20年後のことまで考えて煙突部材は選んで欲しいと心から願っている。

価格は大差ないはずなので、薪ストーブ本体だけでなく、煙突もブランド指定することをお勧めする。(最寄りの販売店で、取り扱ってないとか言われたら相談に乗ります)

もし、大きな価格差がある場合には、使っている部材の品質や仕様に大きな違いがあると認識しておいた方が良い。(何の意味もなく、それだけ大きな価格差にはならないことは、人生経験を積んだ人になら理解できると思う)

【参考】

■メトス角トップの内部構造
http://kawahara1967.blog93.fc2.com/blog-entry-1019.html

■メトス角トップの蓋の防風板
http://kawahara1967.blog93.fc2.com/blog-entry-1022.html

■メトス角トップの蓋の取り付け
http://kawahara1967.blog93.fc2.com/blog-entry-1114.html

ブログ村ランキング:オリジナルバナー
ヨツールのF400/F500はフロントにある一本の空気調整レバーを軽く動かすだけで自由自在に炎をコントロールできるのが醍醐味だ。

それなのに、このレバーの動きが渋いと興ざめだ。煙突掃除&メンテナンスの際に問題があれば修正している。10ミリの六角レンチがあれば誰にでも簡単にできる作業なので、気になっている人はやってみよう。

resize0928_20150813125700dbc.jpg
10ミリの六角レンチでボルトを二本外す

取り付け前にボルトにアンチシーズ(焼き付き防止剤)を塗布してやるとさらに良い



resize0929_20150813125701bd2.jpg
一時空気供給用のノズル部分を取り外す

resize0931_201508131257044f5.jpg
灰が入って動きが悪くなってしまうので刷毛で綺麗に清掃

resize0930_20150813125702564.jpg
その後55-6などの油の防錆&潤滑スプレーを噴いてやるとスムーズに動くようになる

放置しておくと、灰が湿気を呼び込んで錆びの進行が進み、動きが余計に悪くなるので、気づいたら早めに手入れしてあげよう。

ブログ村ランキング:オリジナルバナー
毎年、お盆の時期にメンテナンスにお伺いしている薪ストーブの内部で、これまで見たことのない不思議な現象を発見した。

resize0928.jpg
ガラス状、板状の結晶がバッフル板上部にコーティング状についていた

炉内の灰や煤の状態、そして煙突内の煤の状態から、乾燥した薪を極めて上手に焚いていることは推測できる。

resize0929_201508131249582ae.jpg
トップから落とした煤は、たったのこれだけ(カプチーノカップ一杯分)

この前提条件から、炉内から舞い上がって堆積した灰が高温で溶けてガラス化したものだと思われる。

F500の場合にはバッフル上部にセラミックスーパーウールの断熱材があるので、高温に保たれて、このような現象が発生したものと推測される。

ブログ村ランキング:オリジナルバナー
古民家リフォームの際に、ハンター薪ストーブのフラッグシップ機の「イングルヌック」を設置した。
http://kawahara1967.blog93.fc2.com/blog-entry-1125.html

この古民家を購入する前から「薪ストーブを導入したい」「薪ストーブで暖かくなる?」ということで相談を受けていた案件だ。リフォーム工事が無事に終わって、いよいよ入居して、新生活がスタートした。

冬まで待ち切れず【謎】に、この真夏の暑いお盆の真っ最中に火入れ&レクチャーを決行した!送り火を薪ストーブで行う大胆な試みだ。

resize0937.jpg
施主さんによる火入れを家族全員が見守る

resize0936.jpg
無事に着火

resize0935.jpg
順調に燃え広がっていく

resize0934_201508151729285ff.jpg
全開フルパワーでガンガン焚く

resize0938_20150815172938fe1.jpg
十分に温度が上がって炉内の状況も良くなったので、ダンパーを絞って省エネモードに入る

簡単に火がついて、そして薪の補充のタイミングは焚付後30分くらいで、手間がかからずに簡単だということを実感してもらえた。

その後、熾火がしっかりできてから、薪を追加して、空気調整やダンパー調整の方法やタイミングをじっくり時間をかけて、実演しながらレクチャーしていった。

resize0939_20150815174116191.jpg
日中の明るい状況だから、写真には写らずに判りにくいけど、青白いオーロラの炎が出まくりで綺麗な燃焼をしていた。

これは夜の暗い環境で見るのが楽しみだ。寒くなってきたら、今度や夕方から夜の時間帯に訪問したい。

焚付後3時間経過しても、ガラスの煤けも皆無で、不完全燃焼せず高効率で燃えていた様子が観察できる。今回、ハンターの最大級のモデルを本気で焚いたが、かなりの高性能ぶりが確認できた。熱量もパワフルで薪ストーブの近くにいると、灼熱地獄と思ってしまうくらいだ。最大級のフラッグシップ機だけあって、薪を目いっぱい投入すると、圧倒的な熱を発生し続けて、長時間薪を補充しなくても、安定的に炎が発生してくれるところも、ヘラルド8やヘラルド14では、絶対に出せない大型機ならではの余裕とゆとりを感じた。

また、この巨大な炉台、炉壁への蓄熱も相当なもので、蓄熱式の暖房器具のように長時間に渡って放熱し続けて、真冬の寒い時期でもしっかり家中を暖めてくれることが想像できた。

寒くなる前の時期に、窓を全開にしてガツンと焚いたので、新品の塗料や保護油の焼ける臭いと煙が家の中に、こもらずに済んだ。冬場に実戦投入した時に、窓を閉めて焚いても、室内への臭いや煙が出ることなしに、いきなり快適に使えるという点も良かったと思う。

よく「寒くないとドラフトが弱くて燃え難い」とか「煙が室内側に逆流する」というような話を聞くけど、ハンターのイングルヌック+高木工業所製のオール二重断熱煙突ストレート屋根抜き仕様のため、真夏の汗ばむ陽気だったけど、全くそのようなことはなく、普通に冬場に焚くのと変わらない感覚でスムーズに燃えてくれた。それだけ燃焼性能が良いということも、実感できた。

狙い通り、予想した通りにぴったりと英国製の大型薪ストーブ「イングルヌック」が古民家の雰囲気にハマって良かった。ちなみにこの「イングルヌック」という意味は、イギリス(スコットランド)の古い言葉からで「暖炉の近くの暖かく心地良い場所」という意味だ。まさに、その言葉通り、この古民家と家族を暖めてくれるだろう。

ブログ村ランキング:オリジナルバナー
薪ストーブの煙突の設置工事の場合には、作業者が勾配のある屋根の上にいたり、足場で居場所や視点が制約されてしまって左右から均等に対象物との距離を保てないケースがほとんどだ。自分が平衡感覚を失っている状態での作業をしているということを認識しておこう。

そのため、自分の目視や感覚で「ちょうど良い」と思うところで固定してしまうと、曲がってしまうのだ。

resize0919.jpg
固定金具は天端のケイカル切断面が水平になっていると信じないで、水平器で金具を実測してビスを打つ
(天端にドン付けしないで5ミリ程度下にずらして、調整代を確保する)

煙突の固定の際には、水平器でX軸方向、Y軸方向が同時に垂直になっているのかを必ず確認する。

resize0917.jpg
前後方向の傾きのチェック

resize0918.jpg
左右方向の傾きのチェック

煙突を固定する際には、ネジを仮止めで、だいたいOKの位置に合わせて、最終的に締め付けた時に、きっちり垂直になるように気を付ける。ネジの締め付けの際に金具の位置が微妙にずれてくるので、それも織り込んで調整する。左右のどちらかを一気に全部締め付けるのではなく、少しづつ均等に交互に締めていくことも基本だ。

最終的に貫通部分を化粧板でふさぐ際にも、壁面や、目印となる場所からの距離が左右均等になっていることを確認してからビスを打つ。高所作業で極端に偏った角度からの視点なので、真っすぐについているつもりでも、実はけっこう回転してしまっていているケースが多い。必ずメジャーで確認しよう。確認なしで感覚だけで固定すると、床面に降りて見上げた時に「あれ?」というくらい、かなりずれてしまう。

resize0914_201508120803466f0.jpg
化粧板の左側

resize0915_2015081208034155a.jpg
化粧板の右側
resize0913_201508120823598e2.jpg
特にこういう板張りのデザインだと平行面とちょっとでもずれていると非常に目立つので要注意

ブログ村ランキング:オリジナルバナー
私は千葉県を拠点に、薪ストーブや煙突の設置工事やコンサルを行っているが、関東地方だけでなく、遠方でも対応している。これまで、北は北海道から、南は山口県まで、薪ストーブ関連の動きで足を踏み入れている。まだ薪ストーブの案件では、九州と四国には呼ばれたことがないので、いつか行けることを楽しみにしている。

現在のところ、次シーズンまでに、関西で2件の薪ストーブ設置の案件がある。新築住宅への煙突工事と、古民家リフォームでのコンサル案件だ。

このように、関東地方以外でも、けっこう動いている実績はあるのだけど、遠方であることを理由に心配したり、遠慮したりしている方もいるだろう。

その一つが「遠方だから交通費や宿泊費を請求されて、地元の薪ストーブショップや工務店に依頼するより費用が高額になるのでは?」というものがあるかもしれない。それについては、後述する理由から心配無用だ。私は遠方でも交通費や宿泊費を上乗せして請求することはなく、地元でやっている通常の料金で請求しているので、費用的に多くかかるということはない。

もちろん、遠方案件でも価格が高くならないための工夫をしている。遠方で一件だけのために、呼ばれる度にすぐに動いていたら交通費や時間のロスは無視できないので、追加費用を請求しないとやっていられなくなる。しかし、同時に複数の同じ方面の案件をまとめてこなせば、お客様には交通費を請求しないで済むし、何よりも効率が良い。薪ストーブの場合には「思いついたらすぐに導入する」ということは少なく、それなりに準備期間や検討期間も必要になってくる。多くの場合では「家を建てよう」「リフォームしよう」と思って、設計、プランニングの段階から、実際に工事に入るまでは1年くらいの開きがある。そのため打診や依頼のあった複数の案件をまとめておいて、自分が動ける時期に、タイミングを合わせて、一気に複数処理することにしている。

地元でいただいている通常の工事代やコンサル代と同じでも、複数案件で交通費を吸収して、赤字が出ないようにすれば良いと考えている。遠方での案件の場合は、そうやって工夫して動いても、正直言えば、あまり利益は出ない。それでも理想的な薪ストーブの設置環境を日本中に実現して、快適な薪ストーブライフを施主さんが得られて、日本中に薪ストーブ文化が広がっていけば良いというボランティア的な意味合いで行っている。

費用の心配の他には、「遠方だと何かあった時にすぐに来てくれないから困るかも・・・」というようなこともあるだろう。

しかし、このブログを熟読してくれている読者なら理解できると思うけど、私が関わらせてもらった案件の場合には、「ユーザーが自ら簡単にメンテナスできるような設計」「経年劣化で雨漏りしないような長期に渡って安心できる施工」「設置直後に時間をかけて十分なレクチャーと指導を行う」ということを基本にしている。後になって問題となるようなことがないように、これまで培ったあらゆるノウハウを投入している。

メンテナンス性はもちろんのこと、暖気の循環、薪の搬入動線に渡るまで、ユーザー目線で自分が薪ストーブを生活の道具として使っていないとできない提案をして、関わったユーザーが満足できるように取り組んでいるので、たとえ遠方であろうと、お気軽にお問合せしてほしい。

ブログ村ランキング:オリジナルバナー
炉台、炉壁を設計する時に忘れてはいけないのが、外気導入ダクトだ。なるべく薪ストーブに近い低い位置に設定するのが基本だ。

resize0860_20150806101032b36.jpg
直径150ミリの換気ガラリを使うと合理的

resize0861.jpg
床下から燃焼用の屋外の空気を、薪ストーブに供給

これを省略すると

「焚付の時に室内側に煙が逆流する」
「家の気密の弱い部分から薪ストーブに向かっての隙間風が発生する」

などの問題が生じて使い勝手が悪くなる。

薪ストーブは思っているよりたくさんの空気を必要としているので、通常の家庭用の換気設定だけではなく、専用の燃焼用の空気の経路を配慮してやる必要がある。設計時点で組み込んでいれば、それほど大きなコストアップにはならないので、必ず設定しよう。

諸般の事情で組み込めない場合には、薪ストーブの近くの窓を必要に応じて開けてやることによって、問題は回避される。

ブログ村ランキング:オリジナルバナー
F45は鋳物と鋼鈑の二重構造なので、分解しても、かなり重い。ドブレの640CBならば二人で楽に搬入できるけど、これはかなり厳しい。

普段一緒に動いているスタッフの一人の都合が工事日程と合わなかったこともあり、今回の、小田原でのヨツールF45の設置には、高校1年生の息子を連れて行った。以前は薪の配達にも連れていき、それなりに動けたことや、礼儀や態度もお客様のところへ連れて行っても恥ずかしくないレベルだと思うので、薪ストーブの設置工事へ実戦投入しても大丈夫だと判断した。

部活で空手をやっていることもあり、だいぶ体力もついて、力も出てきたので、重量級の大型薪ストーブ搬入の戦力にもなった。

単純な力仕事だけでなく、薪ストーブの組み立て作業も、やらせてみて、問題なくできた。耐火煉瓦を炉内に入れていく作業だけど、煉瓦のサイズが3種類あって、きちんと設計通りの場所に配置していかないと入らないのだ。写真だと判りにくいけど、パズルのような感じで、いいかげんにやると、いつまで経っても終わらない。

resize0852_20150806094013a46.jpg
炉内に煉瓦を入れる作業中

resize0853_20150806094015e81.jpg

resize0855_201508060940187a5.jpg
無事にセット完了

この子は、薪の追加投入はもちろんだけど、いちいちやり方を教えなくても、私がやるのを真似して、小学生の頃から自宅の薪ストーブに自分でゼロから焚付けしたりしていた。キャンプの際には他の班が火をつけられなくて苦労しているところを、あっさりやってしまったそうだ。こうやって子供の頃から、火や薪ストーブの扱いに慣れて、今から薪ストーブ設置工事の現場でも動いていると、将来は凄い薪ストーブ屋になるかもしれないが、どういう進路を選択するのだろう。

ブログ村ランキング:オリジナルバナー
「新築で薪ストーブを入れたいけど、建築費で手一杯で、薪ストーブ、煙突工事に予算があまり出せなくて75万円が上限」と最初の段階で正直に話してくれた施主さん。こういう場合には知恵を絞って、予算の範囲内で、最大限にできることをやって、夢を実現させてあげたいと頑張りたくなる。

国産の高品質の高木工業所の煙突部材を使えば、品質はぴか一なので、全く心配はないけど、それなりに値段もする。今回のように、予算に制約がある場合には、選択肢から外さざるを得ない。

かと言って、ホンマ製のチャイナ煙突はショボ過ぎて、使う気にならない。いくらローコストでやるにしても、煤の付着や燃焼状態を考えるとシングル煙突という妥協はしたくない。私は薪ストーブには二重煙突が必須と考えているので、ローコストでそこそこの性能を担保できるカナダ製のエクセル煙突を選択した。

薪ストーブ本体に関しても、煙突同様に、国内輸入代理店の正規品を使うと高くなるので、こういうケースの場合、施主さんのリスク負担で個人輸入してもらう。為替相場や破損のリスクを施主さんが背負いたくないという場合には、それなりのリスクヘッジも行うが、その分だけ値段が高くなることは仕方ない。それでも国内正規品よりは全然安い。施主さんの希望に応じた、やり方を案内している。

※誤解しないで欲しいのは、かわはら薪ストーブ本舗として、個人輸入代行を請け負ったり、並行輸入品の仕入れを行っているわけではないということだ。あくまで、私はコンサルの部分と、施工の部分に関してのみ、責任を持って行っている。



低予算ありきの案件では、メーカー、機種などに関して、お客様に選択肢は与えない。「総予算」-「煙突代」-「輸入経費」-「工事代」=「本体の値段」ということになるので、ほぼ自動的に決まってしまうからだ。本当に厳しい予算でトータル50-60万円の場合には本体の値段が10万円程度のカナダ製の鋼鈑のものになる。(逆に言えば50-60万円の予算があれば、カナダ製の部材でオール二重煙突での施工が実現可能ということだ)

もう少しだけ予算に余裕があって、今回のように75万円出せばヨーロッパ製の鋳物も視野に入ってくる。この案件では、日本では未発売の最新モデルのヨツールF45を選択した。鋳物と鋼鈑と耐火煉瓦の三層のハイブリッドの高級モデルで、ネスターマーチンやハースストーンのような綺麗なオーロラが出る燃え方をすることが予想される。新開発されている次世代モデルなので、かなり高性能なことが予測できる。

機能的にも充実していて、天板の蓋を取り外して料理をするという使い方もできる楽しみもある。見たことも、触れたこともないユニークなモデルを経験、勉強するチャンスなので、ありがちな旧モデルの定番のF400ではなく、このモデルを選択した。この冬に、実際に火を入れるのがとても楽しみだ。

また、過去には、普通に薪ストーブ店で工事するのと同額程度の100万円程度の予算で、高級機のソープストーン製の薪ストーブのコンサル設置となった富山での事例もある。(施主さんの希望でブログ非公開)

このように、60万円コース、80万円コース、100万円コースと、予算に応じて様々な手法を使って、施主さんの薪ストーブを導入したいという希望を叶えている。その現場や、その施主さんに合ったやり方を、引き出しからピックアップしているのだ。

resize0873_2015080814452041c.jpg
天板の中央部分が取り外せる仕様

resize0874.jpg
ここに金網を乗せて料理をしたり、サイズに合わせて制作したオーブン、プレート、網などを挿入すれば多様な料理に活用できる

resize0840.jpg
今回、小田原の新築住宅に設置したヨツールF45

ドブレ700SLと同じように前後のレバー式のハンドルというのも、人間工学的に優れていて使い勝手が良い。回転式のように、どちらに回転させれば良いか、どういう角度で回せば良いかと神経を遣う必要がなく、誰にでも簡単に開閉できるのがうれしい。

resize0837_20150805152621ded.jpg
このスペースに設置

resize0836_201508051526205ad.jpg
まずは養生して部材を搬入

resize0839.jpg
鋳物、鋼鈑の二重構造のハイブリッドモデルなので激重で一瞬選択を後悔したけど、何とか無事に設置完了

resize0838.jpg
夏場なので観葉植物が涼しさを演出してくれている

ご主人様は設置後に「この暑い中、火入れの取り扱い説明をやるのですか?」と心配していたけど、今やっても冬に忘れてしまうし、薪ストーブのありがたみを感じられないので「寒くなって、火を入れたくなったら呼んで下さい。また来ます」ということで、現場を後にした。遠方からの設置工事なので、工事完了したら取り扱い説明に来てもらえないと思ったのかもしれないけど、私はご縁のあったお客様のフォローはとことんやる。

帰路には「とっても素敵で大満足です!」という趣旨のメールを奥様からいただき、うれしく思った。

この薪ストーブはリアヒートシールドもついているので、それほど強烈に背面に熱は放出しないけれども、それでもガラス面の近くなので、それなりの炉壁を作る必要がある。施主さんのお父様が板金屋さんをやっているということなので、この後に、冬のシーズンまでに、現場合わせで、新築祝いに炉壁を制作するということになっている。

冬になって、火入れのレクチャーを行うのが楽しみだ。(日本未発売の最新モデルで誰も触れたことのない機種なので、テンションMAXのワクワク状態で行くことになるだろう)

ブログ村ランキング:オリジナルバナー
薪ストーブの燃焼にともない、煙突から排気が抜けていくということは、同時にそれだけの空気を薪ストーブが吸い込んでいるということだ。

高気密高断熱の家だけでなく、気密性の低い古民家でも、あらゆる場合で、薪ストーブを設置する際には、外気導入を設定するのが基本だ。これを省略すると「焚付けの時に煙が室内側に逆流する」「家の中の気密の弱いところから薪ストーブに向けての隙間風流れる」などの問題が発生する。薪ストーブが必要としている空気が素直に流れ込まないと起きる現象なのだ。

今回の古民家リフォームの現場では、工務店には「炉台の薪ストーブの下に換気ガラリをつければ?」と提案したが、立派な大谷石に孔を開けるのは納得がいかなかったらしく、凄い方法で外気導入が実現した。パっと見た限りでは、そこに外気導入があるとは気づかない見事なデザインで、さすが古民家再生に取り組んでいる工務店でセンスが良いとと思った。

ちなみに、このスリットのサイズ(個数)も適当に決めているわけではなく、打ち合わせをして、通常の直径150ミリの円形の換気ダクトを使った場合と同じ面積となるように機能的にも問題ないように計算してある。

resize0834_201508051357586b7.jpg
炉台と炉壁の取り合い部分に注目!

resize0828.jpg
スライド式、スリット式の開閉式の外気導入

resize0827.jpg
指で左右に動かすことで、開閉できる

resize0829.jpg
外気導入で開いている状態

resize0835_20150805140336191.jpg
ハンターストーブの、正面上部の二次燃焼用の空気調整と同一方式、同じデザインのお揃いの外気導入となった

ブログ村ランキング:オリジナルバナー
古民家リーフォームの現場もいよいよ終盤が迫ってきた。炉壁、炉台が完成したという連絡を受けたので、薪ストーブ本体を設置しに行った。

resize0826.jpg
機種はハンターの最大級のモデル『イングルヌック』を選択

写真で見ると、炉台のサイズが、設置した薪ストーブに比べて小さいと感じるかもしれないけど、この炉台は横幅1800ミリ奥行1200ミリとなって、必要十分なサイズを確保している。それだけ、このイングルヌックが大きいということだ。

60センチの薪も楽々飲み込み、鋼鈑製のため針葉樹をガンガン焚いても「壊れるのでは?」という心配を全くしないで済む。リフォームで断熱をしたとは言うものの、かなりの大きさの古民家なので、しっかり暖めるためには、中間サイズのヘラルド14では不十分と判断した。ヘラルド14でも、それなりには暖まるとは思うけど「もっと大きなものにしておけば良かった」と後悔して欲しくないので、フラッグシップ機をお勧めした。

resize0825.jpg
大谷石の炉壁、炉台とのマッチングも最高で質実剛健な感じだ

resize0824_201508051329234f4.jpg
日本の古民家と、英国製の薪ストーブのコラボ

この古民家をリフォームのために購入する前の段階から、薪ストーブ設置の相談を受けていた案件だけど、無事に設置できてホッとした。

実際に火を入れて稼働するのは、もう少し先になるが、また引き続き、レポートしたい。

ブログ村ランキング:オリジナルバナー
角トップを取り付ける前に、固定金具を設置して、そこに煙突を取り付ける。固定金具の取り付け精度で、煙突の垂直性が決まってしまうので、慎重に行う必要がある。

今回は雨降り前の状況だったので、スピード重視でサクサクと進めていった。だから、この部分の仕事の写真は少なめだ。天候の不安がなければ、煙突をロープで吊り上げているところなどを含めて、特殊な作業のところも撮影したと思うけど、今回は雨が降ってくる前に角トップを取り付けることを最優先した。

resize0821_20150805125939e43.jpg
固定金具の位置決めのための「下げ振り」の水糸を回収する間もなく、煙突を設置

ガッチリと既存の屋根裏の骨組みの構造を利用して、チムニーの構造が造作されているのが観察できる。この造作部分に煙突固定金具を取り付けてから、煙突を通す。

チムニー上部で煙突を固定できたら、速攻で角トップの取り付けのために屋外作業に入る。

雨が降る直前に屋外での作業を終えて、再び室内側へ戻ってきて、小屋裏内の煙突固定作業だ。

resize0818_201508051259354d6.jpg
角トップを取り付けて、チムニーからの光が遮られると、茅葺屋根が見える

茅葺部分はケイカル板で物理的に煙突の通る貫通部分とは遮断されている。ケイカルを、チムニー構造を造作した骨組み全部に貼り付けてもあまり意味がないし、そうすると煙突固定の際の障害にもなるので、適度なところでケイカル枠は終わりにしてあるが、その下までチムニー柱は十分に長く設定して、中間の煙突の支持ポイントとして利用している。

resize0822_20150805131428ffc.jpg
室内側、煙突貫通部分のギリギリの下端でに三か所目の煙突支持ポイントを作成した

チムニー上端、小屋裏中間地点と合わせて三か所でガッチリと荷重を受け止めて、支持してあるので万一の地震の際にも煙突が振り子状に揺れることなく安心できる施工となっている。

resize0819_20150805125936eb1.jpg
垂直性を確認してから、煙突を固定

resize0820_20150805125938db5.jpg
室内部分まで煙突が届いたところ

無事に煙突工事が終了して、炉壁、炉台の完成の後に、薪ストーブを設置するのが楽しみな状況となった。それにしても、この炉壁の大きさは半端じゃない。

ブログ村ランキング:オリジナルバナー
リフォーム工事が終わって足場が外れると、勾配のきつい屋根なので、何の対策もしないと、煙突掃除の時にトップにアクセスできなくなってしまう。

よく「煙突掃除は室内側からブラシを上部に向けて突けばOK」みたいな話があるけど、それは嘘だ。工務店や薪ストーブショップがそう言っているのであれば「手っ取り早く売り上げを取って、後のことはどうでもいい」というのが本音で本当にユーザーのことを考えてないということだ。長いつきあいをしようと思ったら、そんな無責任なことは言えないはずだ。ブラシで室内側から突いた場合、煙突の内部の煤は落とせても、トップ部分、雨仕舞い部分、金網部分などの煤は落とせない。物理的にブラシが届かないので、いずれ、詰まって燃えなくなる。その前には煤が飛散して近所迷惑になったりする。薪ストーブを飾りではなく実用品として使う場合、煙突掃除の際のトップへのアクセスは必須だ。

今回の古民家リフォームのように急勾配の場合には、トップからの煙突掃除ができるようにするためには 何らかの対策をする必要がある。他のコンサル案件で実現している「ロフトの天窓からチムニー側面に屋根に出られる」「巨大チムニーを作ってそのサッシ部分から屋根に出られる」などの安全かつ快適にアクセスできるプランを今回も設計前の段階で提案はしたけど、予算の兼ね合いもあって、最もローコストな鎖作戦が採用された。

これから家を設計する時には、5寸勾配(約27°)だと、足袋とゴム手袋など完全装備でもかなり厳しいし、6寸勾配(約31°)以上だと、屋根の上を歩くのは、まず無理だ。嘘だと思うならベニヤ板と三角定規を使って30°勾配の坂を作って、そこを歩いていけるか試してみれば、すぐに理解できるはずだ。煙突掃除のことを考えるのであれば、屋根勾配は4寸勾配(約22°)までにとどめておいた方が良いと思う。施主さんが家の屋根の勾配まで気にするなんて、普通はあまりないと思うけど、薪ストーブのある家を建てるのであれば、重要なポイントの一つなので、最初にチェックしておきたい。

resize0814_201508051054162e7.jpg
足場が外れて屋根とチムニーの全景が見えた

resize0817_201508051054202d4.jpg
ステンレス製の鎖を屋根の上に常設する(鎖の長さは屋根の淵のところで後日切断)

煙突掃除のために、この現場では、チムニー制作する段階でチムニーの骨組みにステンレス製のボルトを埋め込み、そこにステンレス製のUボルトを介して、ステンレス製の鎖を屋根に垂らして常設しておき、それを伝って登っていけるように考えた。体重を確実に受け止めて、長期に渡って錆びずに、作業者の命を守る必要があるので、この部分の部材は多少値段が高くなったとしても、わずかだし、妥協できない。登山用のロープなどを考える人もいるかもしれないけど、長年に渡って直射日光の紫外線、熱や風雨にさらされ続けると劣化して、いずれは体重を支えきれずに切れてしまうだろうから、避けておいた方が無難だ。

工務店には「チムニーの箱の骨組みにボルトを埋め込み金具を固定」としか指示しなかったので、チムニー下部にボルトの位置が来ているけど、側面上部であれば、さらに良かったと思う。今回の位置でも致命的なミスではない。ここまで登ってこられれば、手を伸ばせば何とかチムニーの上側まで届いて棟側に移動できるだろう。「何のためにどう使うか」というところまでもう一歩踏み込んで考えてくれれば、側面にボルトを設定したのだと思うけど、煙突掃除の経験のない設計士だと、こうなってしまうことも無理もないと思った。次回からは具体的に、取り付け位置まで指示しようと思った。

ブログ村ランキング:オリジナルバナー
先日、工務店とチムニー制作の現場打ち合わせをして、いよいよチムニーが完成したという連絡を受けた。屋根足場が撤去されてしまうと、煙突工事が、不可能になってしまうので、足場の解体の日程を確認して、その前に煙突工事を行った。

予定を組んだ日は、天気予報によると「曇りのち雨」ということだった。角トップの取り付け前に、煙突を取り付ける必要があるので、あまりのんびりとやるわけにはいかない。通常は最初に屋内部分を完璧に終わらせてから角トップの取り付けという段取りで作業するけど、今回は変則的に行うことにした。まず、チムニー内部だけ最低限の煙突を取り付けて、角トップを取り付けてから、再び屋内に戻って、残りの作業を行った。

この段取りは大正解で、写真では判りにくいけど、角トップを取り付けた直後に雨が降ってきた。雨が降っても、残りの屋内作業には影響はないので、天候に邪魔されずに済んでラッキーだった。

resize0812_201508051009418c1.jpg
角トップ本体を持っていく

この写真の前の工程で、チムニー内部の煙突は室内側で接続してしまって、屋根上からロープで引っ張り上げた。写真に写っているロープはその時に使ったものだ。足場の悪い屋根上で接続して長くなった煙突をチムニー上部から入れるのはけっこうリスクが高いので、安全かつ確実な方法を取った。この作業の様子の写真も撮れば良かったけど「この後、雨が降ってくる」という天気予報があったので、写真を撮る余裕がなかった。

resize0811_20150805100939db9.jpg
角トップ本体の取り付け

resize0810_20150805100937831.jpg
最後に蓋の取り付け

resize0809_20150805100935d0a.jpg
無事に工事完了

resize0813_20150805100942dcd.jpg
チムニーの反対側からの光景(角トップの頭がちょこっと見える)

ブログ村ランキング:オリジナルバナー
「薪ストーブや煙突設置の見積もりをしてくれ」lというような話が舞い込んできても、最近は、真に受けてすぐには作らないことにしている。

精度の高い見積もりを作るためには、けっこうな手間と時間がかかる。リフォームの場合には現場に行って、寸法を計測するのが必須だし、新築の場合に図面から拾い出すにしても、図面からは見えてこない貫通部分や支持ポイントの確認や打ち合わせをしないとできないからだ。

missumori.jpg

そうして苦労して作った見積もりを出したとたんに音沙汰がなくなり、後で確認すると、その見積もりを他社へ持っていって「これより安くやってくれ」みたいな相見積もりの叩き台に使われちゃっていたり、図面から必要部材の拾い出しをさせて部材を通販などで購入するような人もけっこういるからだ。本気のお客さんにまで疑いの目を向けるのは不本意で悲しいけど、人間不信になるようなことを数多く経験して、自分の心が折れないように、それなりの対策が必要な時期に入ったと思う。

見積もり依頼が、ホンキで工事を私に依頼したいものなのか、それとも単なる叩き台や冷やかしなのか、見極めるために、今後は見積もり作成代金として2万円を請求しようと思う。そして工事を受注した段階で工事代金から2万円値引きすれば、実質的な施主さんの負担はゼロになる。ホンキで工事を依頼したいと考えているならば、申込金扱いとして受け止めてくれるはずで、その2万円を払ってくれるはずだろう。最初から浮気するつもりで、見積もり依頼してくる人はその2万円は払うのが惜しいだろうから、それを、これからは踏み絵代わりにしようと思う。

これは本気のお客さんにだけ、ベストなプランを提案するための対策なので、ご理解いただきたい。

どこの薪ストーブ店で施工したって、部材価格には定価があって値引き率が20%程度で、工事代が20-30万円というのは同じなのだから、同じ部材で同じ仕様で工事すればだいたい同じ金額になるはずだ。私は遠方での工事の場合でも、基本的に出張代金や旅費は受け取ってない。だから、同じ仕様であれば、地元の薪ストーブ店の見積もりより高くなることはないので、安心して欲しい。

もし、見積もりの値段が極端に値段が違うのであれば、吹き抜けの室内側を全部シングル煙突にしていたり、屋根上をチムニーでなくフラッシングでやっていたりと、まるで仕様が違うのだから、それは当然のことだ。

基本的には値段は同じ仕様であれば、ほぼ同じになるのだから、値段の安さで勝負するのではなく、プランニングの良さで勝負したい。他店ではできないような煙突掃除しやすいプラン、メンテナンス性の良いプラン、暖気の循環が良いプラン、搬入動線の良いプランと、実際の使い勝手で違いを出したい。

もし「とにかく安くやりたい」という希望があるのであれば、相見積もりを取って競合させて1円でも安いところを選択するというような方法ではなく、最初から「ぶっちゃけ予算はxx万円」」と具体的な金額を言ってくれたら、その予算の範囲内でできる最善の方法を考える。その方がより良い、満足度の高い設置プランが得られるだろう。品質重視のプランだけでなく、ローコスト重視のプランであっても、それなりには対応しているので、正直に希望をぶつけて欲しい。(大きく影響の出ない範囲で、国産ではなく海外製のコストダウンできる部材を使うなど)

ブログ村ランキング:オリジナルバナー
ドブレの薪ストーブは性能が良いのは当たり前だけど、分解してメンテナンスしやすいという点でも非常に優れている。パーツをバラして炉内の隅々まで、容易にお手入れできるのだ。そのため長持ちして、寿命を長く保てる。

resize0779_20150801135334d05.jpg
無理なく簡単に外せるパーツが取れた状態

640CB/760CBはバッフル板まで簡単に外せるが、この700SLは、この状態でバッフル板は外さないところまでに留めておいた方が無難。もちろん、その気になればバッフル板も取り外せるけど、組み立ての際に耐火セメントで、二次燃焼ダクトの気密を取り直したりする手間と時間が発生するので、作業時間と、重量軽減の効果を秤にかけると、このまま運んでしまった方が合理的。

メンテの際にも、そのことは同様で、天板だけを外せば炉内は簡単に掃除できるので、わざわざバッフル板を外す必要はない。ちなみに、この点については、ベルギーのドブレ社を訪問した時に設計担当の技術者に「シーズンオフのメンテの時にバッフル板外して、とことんやった方が良い?」と直接、確認したら「そこまでは想定してない」という答えだった。

resize0780_20150801135336800.jpg
このように鋳物パーツを取り外して、このように簡単にバラバラに分解できる

resize0781_20150801135337453.jpg
搬入した直後の700SL

ドブレの薪ストーブは、メンテナンス性に優れるだけでなく、設置の時には、軽量化して搬入性に優れているという側面もある。ユーザーにも、薪ストーブ屋にもやさしい、非常に魅力的なメーカーの一つだ。

ブログ村ランキング:オリジナルバナー
今回、ドブレ700SLを設置した新築の家は、設計の前の段階からアドバイスをしているので、搬入動線、暖気の循環などの日常の使い勝手はもちろんのこと、メンテナンス性に対しても十分な配慮をしている。

梯子や脚立を一切使用することなく、誰でも簡単に煙突掃除できる設計になっている。地上から見ると判りにくいかもしれないけど、チムニーのある屋根の隣がベランダになっていて、そのベランダにはロフトスペースの棟屋からドアを開けて出入りできるようになっている。

resize0778_20150801102920300.jpg
地上から煙突を見上げたところ

resize5694.jpg
ロフトからベランダに出て、チムニーへ、誰にでも簡単に安全に素早くアクセスできる設計

薪ストーブを安全に安心して使うためには、1シーズン終了後に1回の煙突掃除やメンテナンスは必須だ。この作業を自分で無理なく簡単にできるか、あるいは薪ストーブ屋などの専門業者に依頼しないとできないのかでは、大きくランニングコストが違ってくる。1回3万円で30年と仮定すれば、自分でできる設計になっていれば100万円近い費用を節約できるわけだ。チムニー制作にかかる費用で、フラッシングよりも20-30万円イニシャルコストが高くなったとしても、すぐにランニングコストで逆転する。

屋根の上にチムニーという構造物があることによって、煙突掃除の時にはチムニーに身体を預けて作業できるので、作業者が屋根から滑落、転落するリスクも少ないし、作業時に道具や工具をチムニーの棟側に置いておくこともできるので、屋根から落下させることも少ないというメリットもある。

そして何よりも重要なことだが、建築的な観点からは、長期に渡って雨仕舞いの安心が得られるというメリットも大きい。ほぼ、半永久的に持つので、フラッシングのように20年後、30年後に雨漏りに悩まされるようなこともないと言える。

私が関わる案件は、煙突掃除などのメンテナンス性を重視してプランニングするけれども、今回の家ほど極めているケースは滅多にないと思う。普通はどこかしら妥協しないとならない部分が出てくるが、ここでは理想を追求して実現することができた。たぶん、施主さんは「これが当たり前」という感じで快適な薪ストーブライフを送ることができるだろうけど、煙突掃除やメンテナンスに苦労しているユーザーは、この環境を見たら、きっと、うらやましく思うだろう。

こういうふうに設計前の段階から関わらせてもらって、考えられる、ベストなプランが実現できたことを感謝したい。

こうしてブログの記事で情報発信しているので、読者がノウハウを真似して、取り入れられることは取り入れてもらって、快適で使いやすい薪ストーブハウスが日本にもっとできて、快適で便利で使いやすいという、薪ストーブ文化が根付いていくと良いと思う。

あくまでブログの記事の文章や写真は、その施主さんのところでの最適解であって、別の現場では、違う解決方法の方が良いケースもあるだろう。個別の物件の具体的な相談、実際の現場の状況に合わせての具体的なプランニングやコンサルだけの依頼でも、5万円の有償で行っている。本当の意味で使いやすく快適な薪ストーブライフの実現を希望している人は、たとえ遠方であろうと、お気軽に問い合わせて欲しい。地元の薪ストーブの設置経験の少ない工務店などで設置、施工する場合などの施工指導もコンサルの範囲に入れてしまってOKだ。これまでの経験から、中途半端に薪ストーブを設置したことのある工務店に任せるよりも、未経験の工務店の方がむしろ、きちんと提案を聞いてくれるので結果的に良い結果となるだろう。

もちろん、プランニングやコンサルだけという依頼ではなく、施工や設置工事まで、トータルで私にお任せいただける場合には、上記のコンサル代は不要だ。

遠方であることを気にして、遠慮や心配をされるケースもたまにあるようだけど、今回紹介した案件のように、ユーザー自らメンテナスでき(※)、なおかつ耐久性を重視した設計にしているので、遠方であろうと問題ならないのだ。「(将来的にも)何かあったら・・・」というトラブルが起きないように、あらかじめ、考えられる問題点を回避するために、これまでの経験から得たあらゆるノウハウを投入している。

※もちろん「自分ではメンテしたくない、プロに任せたい」という場合であったとしても、遠方でも対応している。これまでも北は秋田、南は広島まで出張メンテに行ったこともある。依頼があれば全国どこでもいくつもりだ。

さらに、かわはら薪ストーブ本舗では、今回紹介したようなハード面だけでなく、薪集めの仕方、薪作りの仕方、煙や煤で近所迷惑にならない焚き方や使いこなしのレクチャーも十分に行って、ソフト面でもきっちりとフォローしているので、不安なく薪ストーブライフのスタートを切ることができる。売上高、施工件数などでは、大手には絶対に勝てないけど、ユーザーのフォロー、教育、レクチャーは「日本一」と言えるような薪ストーブ店を目指している。数は少なくても、ご縁のあったユーザーさんを大事にしていきたい。

ブログ村ランキング:オリジナルバナー
薪ストーブの上を吹き抜け空間にしてしまいがちだけど、下手にやると二階だけが暑くなりすぎる傾向がある。

そこで今回は敢えて吹き抜けにはしないで、煙突貫通部分にオリジナルのスリット化粧板を使用して、薪ストーブの暖気を適度に二階に上げるようにした。

さらに薪ストーブの設置場所の対角に階段を設定して、家全体で対流が発生するようなレイアウトとした。これだけでもいい感じで循環するけど、さらに階段上部にシーリングファンをつけて、さらなる循環効果を高めるようにした。薪ストーブの上部の貫通部分から暖気が二階に上がって、階段部分からシーリングファンで階下に空気を下げるという空気の流れを配慮した設計となっている。これにより、家の中全体が均一に快適な環境となる。

resize0773.jpg
二階のコーナー部分の邪魔にならないところを煙突が立ち上がる

resize0770.jpg
一階の薪ストーブ設置部分からの暖気がスムーズに二階に上がる

もう一枚スリット化粧板は予備で持って行っていたので、この一階の天井部分を、二階の床部分と同様にふさいでしまうのもアリなのだけど、そうすると貫通部分内部の掃除が困難になること、子供がミニカーなどの玩具をスリットから落とした際に回収困難になるので、下側はふさがない方が合理的だと判断して、敢えてつけなかった。(そのまま炉台に落下してしまった方が良いという判断)

resize0774.jpg
二階床の貫通部分のスリット

化粧板の色やスリットのサイズ、形状についても、熟考した。

まず色について、既製品の黒だと埃の付着で汚れが目立つのが気になる。濡れ布巾で拭いたら光の当たり具合によって筋が残ることが想像できてしまう。また既製品の室内用化粧板の素材は鉄板に黒塗装なので天井部分などあまりダメージを受けない場所であれば、良いけれども、こういう床部分でハードに扱うと、塗装が剥げていずれ錆びてくるだろう。(小さな子供がいるとけっこう攻撃を受けることが予想される)そこで、敢えて無垢のステンレスの無塗装の風合いにした。これだと多少、埃や汚れが付着しても目立たない。新築で新品のうちは何を使っても綺麗だから気にならないけど、その後の長期間に渡る、実際の使用時の汚れや、掃除などのメンテナンス性に配慮して部材を決定した。

そしてスリットのサイズと形状については、吸音壁などでよ使われるるケイカル有孔ボード(小さい丸穴がパターン状に配列)だと、玩具などの異物は入らなないけど、埃で詰まったり、有効開口面積を稼ぐのが物理的に難しい。機能優先となるとスリットの方が良いと判断した。そして次に考えるのはスリットの幅、サイズの問題だ。子供が指を突っ込んで抜けなくなるリスクを排除するためには「8mm以下もしくは25mm以上」という安全規格が遊具設計上はあるらしい。
http://yuugusekkei.com/contents/03.html

その規格に準じて考えると、小さい方向だと埃の問題、開口面積の問題、加工賃の問題など合理的ではない。そこで大きい方向で考えることにした。かと言って、いくらでも大きくすれば良いわけでない。大きいと、今度は強度の問題、落とされる対象物が多くなるということで、バランスを考えて30mmのスリット幅で設計した。

resize0771_20150801085312b16.jpg
指が抜けなくならないような安全性に配慮したスリットのサイズ

このようにかわはら薪ストーブ本舗では、単純に既製品を使うのではなく、必要に応じてオリジナルパーツを使用して、合理的かつ、既製品だけを使っいるだけでは得られない、一歩上の性能を追求している。これまでのノウハウを結集して、選択してくれたお客様にとって最高の環境を提供できるように考えている。

ブログ村ランキング:オリジナルバナー